
この半年間は、前期に引き続きオフィスの移転やリニューアルに伴う需要が高水準を示し、主力製品の可動間仕切「マイティスマートレール」を中心にオフィス向けの各品目が受注を伸ばした他、トイレブースが学校・体育施設や商業施設、工場向けで好調に推移し、新製品「haremo(ハレモ)」も受注を確保しました。
営業施策では、全国のショールームを活用したお客様へのアプローチや、販促物を通じたブランド訴求が功を奏し、受注の増加につなげています。ショールームは近年、東名阪で大型化と機能拡充を進めており、この上期は名古屋ショールームをアップデートしました。
こうした受注活動の成果を受け、生産体制はほぼフル稼働で対応しており、2025年5月に着工した加賀工場2号棟の完成が待たれる状況となっています。
結果として上期の業績は、期初計画をやや上回る形で増収・増益を遂げ、売上高211億7百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益11億92百万円(同22.7%増)、経常利益12億20百万円(同16.4%増)、中間純利益8億17百万円(同10.8%増)となりました。
売上高は、受注を伸ばした可動間仕切をはじめとするオフィス向け品目とトイレブースが牽引し、文化施設向けの大型案件も増収に寄与しました。またデザインや機能を充実させた高付加価値製品の投入が単価を押し上げた他、今期より進めている価格の適正化が利益の改善につながりました。費用面では、トイレブースの表面材に用いるメラミン板の価格は上昇傾向が継続しているものの、原材料価格全体としては一服しております。人材投資等の販管費の増加が主なコストアップ要因となりましたが、増収効果でこれを吸収しています。
なお上期のトピックスの一つとして、第38回日経ニューオフィス賞にて、当社の東京ショールーム「101 TOKYO SHOWROOM OFFICE」が「ニューオフィス推進賞 クリエイティブ・オフィス賞」の栄誉を受けました。創意と工夫をこらしたオフィスを表彰する同賞の評価に自信を深め、ショールームの活用をさらに推し進めていく考えです。
2028年3月期を最終年度とする5ヶ年中期経営計画「NEXT VISION 2028」は、計画始動から2年半の折り返しを迎えました。業績目標として「売上高年平均成長率4~6%(2023年3月期基準)」「売上高営業利益率8~10%」「ROE 8%以上」を設定した成長性・収益性の改善および資本効率向上への取り組みは、オフィス向け可動間仕切を中心とする受注・販売の好調を得て、着実に進展しています。基本方針に掲げる「既存間仕切事業の成長」の施策がしっかり成果を上げているものと評価できます。
一方、基本方針のうち「新規製品の創出」は、まだ十分な業績貢献に至っておらず、打ち手も不足している状況です。外部スライディングウォールなど、訴求力のある製品を積極的に打ち出すべく、企画・開発の強化とともに見せ方を工夫していく必要があります。また「生産・物流オペレーションの高度化」は、加賀工場2号棟が稼働する2027年5月以降に実施していく施策も多いのですが、足もとでは既存生産ラインの自動化や、納期調整による配送効率の改善などを進めています。計画3年目の通期業績は、期初の予想数値を変更せず、売上高465億円(前期比4.2%増)、営業利益40億60百万円(同11.7%増)、経常利益41億30百万円(同10.0%増)、当期純利益29億30百万円(同10.5%増)を見込んでいます。上期までに積み上げた受注残高をこなし、納品・売上につなげながら、2025年9月に投入した複数人数用ワークスペース「IDO(イド)」の拡販や、当社ショールームを活用した他社とのコラボレーション営業など、新たな事業展開に注力していきます。
当社は、中期経営計画期間中の株主還元について、DOE 6%を目安とする方針を定めています。これにもとづき今回の中間配当は、1株当たり65円を実施しました。前期の中間配当は同60円ですが、2024年10月1日付で1:2の株式分割を行っているため、実質的に前期比35円の増配に相当します。期末配当は同65円(前期比30円の増配)を予定しており、合わせて年間配当額は、前期水準の2倍に相当する同130円となる見込みです。
今後も株主還元の強化に努めながら、成長性と収益性を継続的に向上させるべく、中期経営計画の基本方針に掲げた成長戦略を確実に遂行し、企業価値のさらなる拡大を図ってまいります。株主・投資家の皆様におかれましては、当社事業へのご理解とともに長期のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長
