
オフィスの移転・リニューアル需要が継続する中、可動間仕切やトイレブースを中心にすべての品目で売上を伸ばし、また「マイティスマートレール」など高付加価値製品の販売増加が利益を押し上げ、好調に推移した1年でした。結果として売上高および各利益は、期初予想をやや上回る形で増収・増益し過去最高業績の更新を果たしました。受注面も、文化施設の大型案件獲得により移動間仕切が増加するなど順調に拡大し、過去最高水準の期末受注残高を保持しています。
営業活動においては、引き続き各地ショールームを活用した取り組みが成果を上げています。特に上期に東京ショールーム「101 TOKYO SHOWROOM OFFICE」が第38回日経ニューオフィス賞の「ニューオフィス推進賞 クリエイティブ・オフィス賞」を受賞したことは、当社が提案するオフィス空間づくりに対するお客様の高い関心を喚起し、受注獲得に大きく寄与しました。東京ショールームでは、著名建築家を講師に招いた設計士向けセミナーも開催し、お客様との接点を拡げています。また2025年7月には、名古屋ショールーム「Show Move Hub Nagoya」を増床し、展示機能を拡充しました。
2026年3月期は、このショールーム増床費用に加えて加賀工場2号棟建設関連の費用が発生し、設備投資額が大きく増加した他、ベースアップに伴う人件費の上昇などが販管費の増加要因となりました。
それをこなして過去最高の利益を確保した当期の業績には、冒頭に述べました高付加価値製品の販売増加による貢献とともに、近年進めてきた価格適正化の効果が表れています。販売価格を上げてもお客様から製品を選んでいただけるように、設計から製造、営業まで細かな対応を行い、「稼ぐ力」をしっかりつけてきた成果と捉え、高く評価したいと思います。
中期経営計画「NEXT VISION 2028」(2024年3月期~2028年3月期)は、「既存間仕切事業の成長」「新規製品の創出」「生産・物流オペレーションの高度化」の三つを基本方針に定め、業績目標として「売上高年平均成長率4~6%(2023年3月期基準)」「売上高営業利益率8~10%」「ROE 8%以上」の達成を目指しています。
5ヶ年計画の3年目を終えた現在の進捗を述べますと、2026年3月期の業績は、売上高が前期比4.7%増の成長を示し、売上高営業利益率はすでに8.8%、ROEは7.9%に達しており、極めて順調に推移しています。
基本方針にもとづく取り組みは、この3年間で可動間仕切の売上が着実に拡大し、成長を牽引する一方、新規製品についても、スティールパーティション「STEERA」やトイレブース「haremo」、高層建築に対応可能な外装用移動間仕切「SKYDOOR」などの投入が成果につながっています。生産・物流オペレーションに関しては、大阪サービスセンターの倉庫機能を拡充すべく、移転による対応を進めています。そして今後は、2027年5月に予定している加賀工場2号棟の稼働により、生産能力の増強と出荷機能の強化を図っていく考えです。
計画4年目の2027年3月期は、大型案件を獲得した移動間仕切を中心とする潤沢な受注残高が売上につながり、またオフィス関連需要も引き続き堅調に推移すると見られることから、増収・増益を予想しています。
なお足もとでは、中東情勢の悪化による市場およびサプライチェーンへの影響が懸念されています。当社においても、製品塗装用の溶剤を中心とする材料の供給が逼迫し、生産に影響が生じる可能性について2026年3月末に公表しました。今のところ具体的な影響に至っていませんが、先の見通しは依然不透明であり、状況を的確に捉えて迅速に対応する体制を整えています。
「NEXT VISION 2028」は、計画期間中の株主還元について「DOE 6%を目安とする」方針を掲げています。これにもとづき今回の期末配当を1株当たり65円とさせていただき、2026年3月期の年間配当額は、同65円の中間配当と合わせて同130円、DOEは5.9%となりました。2024年10月1日付で1:2の株式分割を実施しているため、前期の年間配当額に分割の影響を勘案し、実質的に比較すると2倍の水準となる大幅増配です。
近年、売上高・利益の成長とともに資本効率の改善が進み、株主還元の拡充にも注力していることが株式市場において評価され、当社株式はこれまで以上に多くのご支援をいただいております。さらなる企業価値の拡大に努め、株主の皆様のご期待に応えてまいります。
代表取締役社長
