投資家情報 経営方針

MESSAGE メッセージ

代表取締役社長

資本効率性を踏まえた成長戦略を推進

2025年3月期の振り返り、営業状況について

企業収益の改善が続き、都市部を中心にビル移転・入居工事が増加する中で、当社事業においてはオフィスのリニューアル需要が活況を呈し、可動間仕切を中心に受注を伸ばした1年でした。特に第4四半期(1-3月)は繁忙を極め、売上高が前年同期比6.3%増、営業利益が同65.0%増と大幅に伸長し、期末受注残高は前期比13.3%増、うち可動間仕切は同30.3%増となりました。

しかし福祉・厚生施設向けなど、オフィス向け以外の用途は伸び悩み、トイレブースの売上も減少したため、通期業績における売上高は前期比2.4%増にとどまり、物流費やショールームの賃借料が増加したことなどから、営業利益はほぼ横ばいとなりました。

営業活動では、各地のショールームを活用した受注アプローチが奏功し、販促物展開とともにブランディング強化面でも効果を上げています。注力製品では、高価格帯のオフィス向け可動間仕切「マイティスマートレール」が販売を順調に伸ばし、業績を牽引しました。新規製品では、高い意匠性を持つスティールパーティション「STEERA」を下期に投入し、高い注目を集めていますが、本格的な業績貢献は2026年3月期以降になる見込みです。また今後は、オフィス向け以外の製品についても積極的に展開する必要性を認識し、意匠性と付加価値を高めたトイレブース「haremo」の開発・投入にも取り組みました。

なお当期は、可動間仕切の生産増強に向けて加賀工場2号棟の建設着工を2025年2月に予定していましたが、スケジュールを見直し、これを同5月に延期しました。

中期経営計画の進捗と新たな目標設定について

当社は、2028年3月期を最終年度とする5ヶ年中期経営計画「NEXT VISION 2028」を推進中です。これまでの2年間で、基本方針に掲げる「既存間仕切事業の成長」および「新規製品の創出」は着実に進展しており、受注拡大や製品開発において成果を上げ、当社の価値提供を拡げています。もう一つの基本方針である「生産・物流オペレーションの高度化」は、これを担う加賀工場2号棟の建設に遅れが生じたものの、方向性を定めて着工に至り、2027年5月に操業を開始する予定です。

計画3年目の2026年3月期は、オフィス環境におけるリニューアル需要の継続が見込まれ、受注残高の増加も果たしていることから、増収・増益を想定しています。

なお本計画は、「売上高年平均成長率3~6%(2023年3月期基準)」「売上高営業利益率7~10%」「ROE 5~8%」の達成を目指していましたが、このたび「資本コストや株価を意識した経営の実現」への対応として、これらの業績目標を見直し、上方修正しました。 当社に対する株式市場の評価を鑑み、当社の推定資本コストを8%と算出し、その水準を上回る「ROE 8%以上」を目指すものとします。成長性については「売上高年平均成長率4~6%(2023年3月期基準)」、収益性については「売上高営業利益率8~10%」を新たに設定しました。

同時に財務レバレッジの改善を進めるべく、株主還元の強化を打ち出し、本計画期間中における配当の水準を従前の「DOE 3.0%を下限とする実施」から「同6%を目安とする実施」へ引き上げました。この還元強化により当社は、自己資本の増加を押さえてROEの向上につなげつつ、株式市場における評価を高めていく考えです。

そして今後は、新設した「戦略検討チーム」が中心となり、経営課題のアップデートを進めながら、資本効率性を踏まえた成長戦略をリードしていくことで、より高い目標を達成してまいります。

株主の皆様へ

2024年10月1日付で、当社は1:2の株式分割を実施いたしました。そのうえで、今回の期末配当は1株当たり35円とさせていただき、年間配当額は、中間配当の同30円と合わせて同65円(前期比2.5円増配)となりました。2026年3月期は、上述の株主還元強化方針にもとづき、1株当たり年間配当130円(中間65円・期末65円)を予定しています。これによって、年間配当額は当期比2倍の増配となり、DOEは6.0%となる見込みです。これからの当社は、株主還元の強化により高配当企業として評価をいただけると考えていますが、それだけではなく、高い成長と収益の拡大を実現できる会社として、株主・投資家の皆様の期待に応えていく所存です。

そして製品づくりにおいては、「サステナブル・プロダクト・スタンダード」と題する方針のもと、再生材・再使用・省資源・再資源化・多様性の5つのテーマによる開発・改良を推進し、事業活動を通じて環境と社会の持続可能性に貢献してまいります。 株主・投資家の皆様におかれましては、引き続き厚いご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長

代表取締役社長